📊 下流でのプロジェクト管理を上流でやらないほうがいい理由、あるいは不確実性にまみれた世界

🔗 元記事: ITmedia オルタナティブ・ブログ(白川 克)

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📅 ブックマーク日時: 2026-07-08 21:36 (UTC)

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一言で言うと

大規模プロジェクトの上流工程(要件定義より前の、ゴール策定・現状分析・将来構想など)では、下流で慣れ親しんだWBSベースのプロジェクト管理を使うべきではない。上流は不確実性が100倍高く、精密なWBSは「管理できている風」の錯覚を生むだけ、という主張。

問題:上流でよく起きる「下流の管理手法の誤用」

上流未経験者がチームを構成することが多く、以下のような管理をしようとする:

→ やめたほうがいい。弊害が多い割に効果が薄く、「一見きっちり管理できている様に見えて、本質的なプロジェクト状況は全然分からない」という状況に陥る。

なぜ下流の管理が上流で機能しないのか

プロジェクトという仕事には元々4つの特徴がある:

  1. やったことがない仕事なので、何をやればいいか先読みしにくい
  2. 何をどこまでやればいいか判断が難しい
  3. 工数見積がしにくい
  4. 寄せ集めチームなので、参加者の関与度や能力を読みにくい

下流ですらスケジュールは本質的にブレやすいが、上流はこれが100倍ひどい

核心:「3歩進んで見えてきた風景で、次の行動を決める」

上流では少しやってみないと先の展開が読めない:

・価格決定プロセスがガンだと思って3日調べたが、特に問題はなかった
・売掛金チームと相談したが揉めて、役員に説明しに行くことに

結果として工数を使わなくてよくなる時もあれば、予定していなかった作業がガバっと増えることもある。不確実性が大きい。

「管理できている風」の罠

不確実性が高い状況では、80%終わった時点で40%分の仕事が発見されることが結構ある。
すると作業の総量は140%になり、80%だと思っていた進捗率は実は57%でしかない。

いきなりゴールラインが後ろにズレる。

さらにひどく、一切予定していなかった仕事の100%がポンと発生したりする。

では、上流でどうプロジェクトをマネージするか

A)3段階で考える

階層 内容 粒度
階層1: ロードマップ フェーズ展開。「今はこのフェーズ」の共通認識 ざっくり
階層2: アプローチ図 タスクの順番と依存関係を示した図 WBSより(あえて)粗い。柔軟に変更可能
階層3: セッションスケジュール タスクごとにどんな検討を何回必要か、誰を呼ぶかを具体的な会議に落とす 具体的

B)「何をどこまでやったら次の工程に行けるか」を明確にする

アプローチ図のタスク1つ1つについて、成果物やその精度を言語化する:

「このフェーズで"アーキテクチャ検討"といったら、こんな図を書ければOK」
「ただし適当に書くだけではNGで、裏付けとなる調査をこの精度でやっておかないとダメ」

ポイントは「ここまでやれば、後工程に着手できるよね」という観点。後工程ができるレベルまで検討できたなら、次に行っていい。そうしないと永遠に仕事を続けてしまう(それはもう「ホビー」の領域)。

関連する「プロジェクトを失敗させる55の罠」より