エンジニア経験のない人事・広報が「技術広報」を始めるときの最大の壁は「技術の壁」。
本記事は、コードを書いたことがない著者が自らの経験をもとに、
「技術広報に技術はどこまで必要か・どうやって身につけるか」をレベル分けして整理した実践ガイドです。
🎯 結論:コードは書けなくていい
技術広報に必要なのは「コードが書けること」ではなく、次の3つです。
- 聞ける — エンジニアの話を正しく受け止められる
- 調べられる — 分からない単語を自分で回収できる
- 価値が判断できる — 何がネタになり、何が普通かを見分けられる
📈 技術理解の4レベル
0
単語が全部「呪文」に聞こえる
誰もがここからスタート。輪郭すら見えない状態。
1
会話の登場人物が分かる
フロントエンド・バックエンド・SREなど、開発組織の役割と分担が把握でき、話を「正しい棚」に置ける。エンジニア採用担当なら自然と到達するライン。
2
自社の技術スタックを説明できる
「Rails・React・AWSを使っている」だけでなく、なぜ選んだかの背景を一言添えられる。ここまで来れば1on1で質問が出せ、一人前。
3
業界の文脈が分かる
カンファレンスの盛り上がりや自社取り組みの珍しさが判断できる。机上学習ではなく仕事を通じて自然に仕上がる到達点。
「レベル2まで来れば十分に一人前。レベル3は仕事をしながら勝手に仕上がっていくものです」
⚠️ 分からないままだと「詰む」3つの局面
- ① 価値の判断ができない — エンジニアが「普通のことしかしてない」と謙遜するのを鵜呑みにし、掘れるネタを逃す。
- ② 会話が持たない — 1on1で相槌しか打てず、深掘りできず材料も集まらない。
- ③ 深い信頼を得られない — 技術広報はエンジニアに「動いてもらう」仕事。理解の深さが信頼の深さ=進む距離に直結。
🚫 やらなくていい勉強
- プログラミングスクール優先は挫折コースのリスク — 「forループが書ける」が効く場面はほぼない。レベル1の登場人物理解の方が重要。
- 完璧主義の罠 — 「ちゃんと理解してから話そう」と構えると永遠に話せない。現場に出るしかない。
🧠 著者が実践した「2本の原理」
① 浴びる(イマージョン)
語学と同じで、分からないまま浸かり続けるとある日ふと繋がる。週3の勉強会に行かなくても、以下で代替可能:
- エンジニアの times チャンネル・分報を眺める
- 社内の技術共有会の端っこに混ざる
- 自社のテックブログをひたすら読む
- 通勤中にエンジニア系ポッドキャストを流す
② 必要に迫られて調べる
教材は新しく買う必要なし。手元の業務資料=単語帳。求人票の技術要件を全部説明できるようになれば、それがレベル2への足がかり。
✨ 今から始める人の近道 = AI
- その場で回収 — 1on1や勉強会の帰りに「この文脈でこの単語、どういう意味?」をAIに聞く。
- 「分からない説明」の連鎖が解消 — 「エンジニアじゃない人にも分かるように」と指示すれば丁寧に解説。
- コードも聖域ではなくなった — AIと一緒なら小さなツールは作れる。余裕ができたら1つ作ってみると、エンジニアの仕事の解像度が上がる。
「『読めないから分からない』という言い訳は消えた。差がつくのは、聞ける・文脈が分かる・価値が判断できる、最初のラインに戻ってくる」
🔑 知識より大切なもの
最後に著者が強調するのは、「エンジニアの仕事への敬意と好奇心」。
観察し、対話し、彼らを愛せるようになると技術広報は「お金をもらって推し活ができる仕事」に変わる。
まずは浴び始め、分からないと言い、その日にAIで回収する —— その繰り返しの先で「呪文が言葉に変わる日」が来る。
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