📝 記事の概要
ハロー!プロジェクトのJuice=Juiceで2020年まで活動し、現在はソロで音楽活動を行う宮本佳林(みやもとかりん)さんが、自身がどのようにして「バイブコーディング(AIに自然言語で指示してコードを書いてもらう開発手法)」を習得したのか、その道のりを振り返るブログ記事です。
AIで配信システムを作ったことが大きな反響を呼び、「元々知識があったのでは?」という声もあったため、自身の学習プロセスを正直に、かつ詳細に公開しています。「アイドルはずるい」と自ら冗談めかして語りながらも、システムは「宮本本人がゼロから作っている」と自信を持って伝える内容です。
🚀 バイブコーディング習得のステップ
1. 初めてバイブコーディングに触れた瞬間
妄想・空想が大好きな宮本さん。「こんな音楽アプリがあればみんな笑顔になれるのに」という発想から、ChatGPTとチャットばかりしていた日々の中で、チャットでコードを書かせまくるという荒業で Node.js で動くものを作るまで到達しました。
- コードの部分修正は自分には理解できなかったため「いや!全文書き直せ!」と指示しまくるスタイル
- 「ChatGPTごめんね!」状態でのスタートだった
2. AWSに興味を持ち始める
クラウドサービスに興味を持ち、「Amazonって流通だけじゃないの!?」と衝撃を受けて AWS SAA(ソリューションアーキテクト アソシエイト) の勉強を開始。Udemyで必死に学びました。
- CloudFront + S3 の構成
- リレーショナル・非リレーショナルDBの使い分け
- AZ(アベイラビリティゾーン)でのフェイルオーバー設計
「めっちゃおもろいやん、大好きすぎる」と一気に引き込まれました(資格はまだ取得中とのこと)。
3. playgroundさんとの出会い(転機)
ハロプロ恒例の環境保全・SDGsイベント「SATOYAMA&SATOUMIへ行こう」でデジタル庁ステージにお邪魔した際、playgroundさんの電子チケット顔認証の速さに驚き、担当者に勇気を出して声をかけたことが大きな転機に。
- オフィスに招かれ、伊藤社長とエンジニアの塚原さんにWebアプリ開発を3時間強みっちり指導してもらう
- そこで学んだのは Cursor + GitHub + Vercel 構成での開発
- 最初に作ったのはシンプルなメモアプリ、続いて学習ノート的なアプリ
4. AIソロプレナー・川邊健太郎さんからのアドバイス
ハロプロ現場に頻繁に来てくれる川邊健太郎さんから、Xのチャットで重要な情報を共有してもらいながら、AI開発において大切にしている3つの原則を教わりました。
- ① AIに再現できないことを忘れない — 弓桁さんの「小田さくらちゃんへのコメントはAIには真似できない」という言葉から。AIに飲まれないための意識
- ② セキュリティの確認 — 秘密鍵をチャットに貼らないのは大前提。作った後もしっかりAIにレビューさせる
- ③ ひとつの成果物に対して複数のAIにレビューさせる — ChatGPTとClaudeで違う指摘が来るのが面白い。双方とも正しい指摘が多い
「もっとお金持ちになったらAPI使い放題して、AI同士で勝手に会話して作り上げてもらいたい」と夢を語る一幕も。「携帯キャリアがAIのAPI使い放題プランを作るのでは」という未来予想も披露しています。
💻 開発したシステム・成果物
Cursorで開発を進め、これまでに公開した主な成果物:
- 週末生態系診断 / 休日生態系診断(休みの日に君は何者になる?)
- リリースイベントのアンケート(Bot対策込み)
- オンラインお話し会全通者への特典(WithLIVE連携)
- 配信システム(10時間配信を支えるシステム)
ツール遍歴:Cursor → Claude → Claude Code
- Cursor:コードが見やすく、勉強になる
- Claude Code:圧倒的に早い
- アイドル業で時間が限られるため、移動中のスマホで.md形式の詳細な仕様書を作成し、帰宅後にPCでAIに読み込ませて開発するスタイルを確立
🧭 著者のスタンスと価値観
「ゼロから作っている」の定義
「コードを書いているのはAI」と明言。宮本さん自身の役割は「何を作るか決めて、設計して、指示を出して、確認する」こと。この区別をちゃんと伝えるべきだとしています。
芸術とAIに対する考え
- 芸術そのものをAIで完全再現することには大賛成ではない
- ただ、AIが芸術を学習してくれているからコーディングも捗る事実は認める
- AIは「芸術を色々な場所へ広げる手助け」として使いたい
- AIで作ったものは「100% AIだよ!」と伝えるべきという誠実な姿勢
自己認識と今後の目標
- 「自分の能力はひよこ以下」と控えめに自己評価
- セキュリティや構成での従量課金の暴走リスクなど、想定外の怖さも自覚
- アイドル業を華やかにする手伝いをAIで続ける決意
- 「まずはAWS SAA、必ず取ります」 — 目標を明言
🔗 関連記事(本記事内で言及)
- 宮本佳林『アイドルがAIと配信のシステムを全部作った話』
- 宮本佳林『HANAKIN配信システムの技術構成』(2026年7月31日、10時間YouTube生配信の技術解説)
🎯 レポートのまとめ
元Juice=Juiceの宮本佳林さんが、ChatGPTでの試行錯誤から始まり、AWS学習、playground社での直接指導、川邊さんからの助言を経て、実際の配信システムや診断アプリを開発するに至るまでのリアルな学習軌跡を公開した記事です。
特筆すべきは、「コードを書くのはAI、設計と指示と確認は自分」という責任区分の明確さ、複数AIレビューの実践、セキュリティ意識、そして「AIで作ったと正直に伝える」誠実な姿勢。アイドルとエンジニアリングの境界を生きる稀有な存在として、技術界隈でも大きな反響(はてブ641)を呼んだ納得の一編です。