生成AIはクリエイティブ制作をどう変えるのか。LINEヤフーコミュニケーションズのデザイン・イラスト現場でのAI活用から、「つくれる」と「任せられる」の違い、人がつくる価値を探るインタビュー記事。
📝 記事の概要
LINEヤフーコミュニケーションズのクリエイティブ部で、プロダクトデザインをリードする金子さんと、イラスト制作・ディレクションをリードする浦屋さんへのインタビュー。生成AIを「ライバル」から「仕事仲間」として受け入れつつも、人の創造性が残すべき領域は何かを深く掘り下げています。
🔑 重要ポイント
1. AIを「ライバル」から「仕事仲間」へ
- イラスト領域では当初、画像生成AIを「ライバル」と感じる人もいた
- Slackに「AI研究室」チャンネルを作り、業務外素材で遊び感覚で試験運用 → 心理的ハードルが下がった
- 結果的にAIは「新しい道具が一つ増えた」感覚で定着
2. プロダクトデザイン:AIとつくる「80%のラフ」
- 以前は人が40%のラフを作っていた → 今はAIで60〜80%まで一気に持っていける
- 残りの80%→100%は人が調整・仕上げ
- AIの提案は「材料」。AIに対して反論しながら折り合いをつけるスタイル
「自分がこれまで積み上げてきた経験や感覚も無視したくない。そこを手放すと、みんなが同じようなものになってしまう」(金子さん)
3. イラスト制作:完成品ではなく「発想とリサーチの補助」
- クライアント案件では特に慎重。AIガイドラインを遵守し、仕上げ・納品物としては使わない
- 主にアイデア出し・イメージ参考作成・リサーチ補助に活用
- 期待と違う出力も「別の切り口」として発想の刺激になる
- LINEスタンプのディレクションで、キャラクターの「らしさ」を深掘りするリサーチにAIを活用
4. 「それっぽい」の先をつくる
- AIは「3Dっぽさ」などの既存テイストは高速で出せるが、前例のないものは人の発想が必要
- 「AIと8合目まで爆速で登れる。その分、頂上より先を考える時間が増える」
- 「まだ誰も見たことのない表現」を生み出したいというプライド
5. 「つくれる」と「任せられる」は違う
- AIは技術的に何でも「つくれる」が、制作の目的まで「任せられる」わけではない
- 何を作りたいかの意志を持ち、どこで力を借りるか判断するのは人の役割
- 責任の所在が重要:AI生成物に問題が起きても責任を取れるのは人間のみ
6. 効率化で終わらせない、表現を磨く余白
- AI活用の目的は効率化だけではない。生まれた時間を思考・ブラッシュアップに投資
- デザイナーは企画・マーケティング知識も身につけ、領域を拡げる必要
- 「良いアウトプット」の判断はデザイナーの役割 — ここは変わらない
「人から人に届けるクリエイティブにおいて、その余白を使って表現を磨き続けることこそが、何より大切」(浦屋さん)
💡 この記事の価値
この記事は、AI時代のクリエイティブ職のリアルな向き合い方を、実際の現場リーダーの言葉で綴った点が貴重。「AI vs 人間」という単純な対立構造ではなく、協業のメリハリ — 何を任せ、何を手放さないか — が具体的に語られています。特に「8合目までAI、そこから先は人間の独壇場」という比喩は、AI活用の方向性を考える上で分かりやすい指針になります。
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