AILLMLiteLLMOpenCode
記事サマリー
日本トレカセンター(社員約200名)が、全社員のAI利用の「入り口」を1つにまとめた事例紹介。社員のPCにはAIエージェントクライアントの OpenCode を配り、リクエストを自前ホストのLLMゲートウェイ LiteLLM に集約。モデル選択は会社側で制御し、予算は月単位で決めて社員ごとに週次上限を設定した結果、AIコストが導入前の10分の1以下に抑えられた、というのが最大のポイント。
💰 入り口を1本化 + 予算管理 → AIコストが導入前の1/10以下に。プロンプトの可視化も実現。
導入前の課題
- ChatGPT・Claude・CursorなどAIツールが乱立し、社内でどんなプロンプトが使われているか把握不能だった
- 業務情報をAIに渡している以上、セキュリティ・ガバナンス面で放置できない
- AI利用費用が跳ね上がり、ROIを考えると無視できない金額に達していた
全体アーキテクチャ
[ 社員の PC: OpenCode ] ─► [ MCP ポータル ] ─► 社内向け MCP
│ 社員ごとのキー(SSO でログインして発行)
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[ LiteLLM(ECS Fargate)] … 予算上限 / モデルの振り分け
│ 各プロバイダーの API キー
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[ 各プロバイダーの LLM(一部は OpenRouter 経由)]
- 各プロバイダーのAPIキーはLiteLLMだけが保持。社員は自分用のLiteLLMキーを持つ
- リクエストが全てLiteLLMを通るため、プロンプトをログで把握可能。Guardrail(LLM送信前リクエストチェック)にも対応
- 新しいモデルが出てもLiteLLM側でつなぎ先を差し替えるだけで試せる
なぜ LiteLLM? なぜ OpenCode?
- LiteLLM:複数LLMプロバイダーを同一インターフェースで呼べるゲートウェイ。キー単位で
max_budget(上限額)と budget_duration(リセット周期)を設定でき「気づいたら請求が跳ね上がる」事故を仕組みで防止
- Claude Desktop on 3P(推論先をゲートウェイへ向ける公式構成)は開発者モード前提の設定を非エンジニアに案内するのはハードルが高いと判断
- Claude Code + LiteLLM構成も試したがAPIエラーが頻発(
tools.N.custom.input_examplesによる400エラー、prompt cachingのベータヘッダーによる400エラーなど、LiteLLM側の追従待ち)
- OpenCodeは設定をJSONファイルに書く方式。用意済み設定ファイルを置くだけで接続完了し、配布が非常に楽。デスクトップアプリ版はUIもシンプル
- 一部エンジニアにはOpenAI Codexのサブスクリプションも支給し、LiteLLM⇔Codexを切り替えて使える柔軟運用
ホスティング・SSO・配布
- LiteLLMはAWS ECS Fargateで運用
- キー発行は社員自身がGoogle WorkspaceのSSOログインでセルフサービス実施(管理者が一人ずつ発行する手間なし)
- SSOは自作 — LiteLLM公式のSSOは無料で5ユーザーまで(v1.76.0以降)で、200名にはEnterpriseライセンスが必要なため割に合わないと判断
- セットアップはワンライナースクリプト:ターミナルに1行貼り付けるとOpenCode Desktopのインストールから設定配置まで完了
effort別モデルと予算運用
- LiteLLM上に社内向けモデル名を Low / Mid / High / XHigh の4段階で定義。OpenCodeからはこの名前で選択
- 現状Lowの裏側はOpenRouter経由の DeepSeek-V4.1-Flash。パフォーマンスを見ながらLiteLLM側で差し替え(社員の手元設定は変更不要)
- 予算は月単位で決定、社員ごとの上限は週次(7d)リセット。週ごとに区切ることで自分の使用量を毎週意識する仕組み
- 上限超過時はSlackワークフローから追加申請が可能
- コスト削減の要因:高価なフロンティアモデルを使いっぱなしにしなくなった+コスト可視化で社員がコスパを考えてモデルを選ぶようになった
- コメント欄の情報:社員全体の平均利用額は月20万円ほど
MCPの一本化
- OpenCodeへの移行で、Claude Codeコネクタなどによる外部サービス連携が使えなくなる課題が発生
- Cloudflare One の MCP server portals で社内向けMCPサーバーを1エンドポイントに集約。OpenCode側にはポータルURLを1つ登録するだけで済む
この記事の要点まとめ
- 全社AI利用の入り口をOpenCode + LiteLLMで1本化することで、ガバナンス(プロンプト可視化)とコスト管理を同時に実現
- セルフホストSSO+週次予算リセットという細かい運用設計が効いている
- 既存のオープンソース(LiteLLM・OpenCode・Cloudflare MCPポータル)の組み合わせで大規模展開できる好例