概要
JIZURA(字面)は、ブラウザ上で動作する歌詞PV(リリックビデオ/キネティックタイポグラフィ)自動生成ツール。
歌詞を貼り付けて曲を読み込むだけで、MVのような動きのあるタイポ動画が作れて、そのまま MP4 として書き出せる。インストール不要・無料・オープンソース(MIT)。
作った動画・画像の権利は制作した人自身に帰属し、入力した歌詞や曲はブラウザ内だけで処理されてサーバーには送信されない設計。文字PV文化で知られる制作者・hakoniwa 氏(852wa)によるツールで、「おまかせ」ボタンを押すだけで演出の組み合わせがガラッと変わるのが最大の特徴。
使い方の流れ
- ① 歌詞を入力 — 1行が1フレーズになる。空行で間を空け、
[間奏 8] と書くと8秒の間奏パート(背景と装飾だけ)になる
- ② 曲を読み込んで同期 — 音声ファイルを読み込むと拍(BPM)を自動検出。曲に合わせて各行が始まる瞬間に Space キーをタップするだけでタイミング合わせ完了。押し間違いは Backspace で1つ戻せる
- ③ おまかせで演出を生成 — ボタン(キーボード R)を押すたびにスタイル・雰囲気・動き・配色・構成がまるごと変わる。気に入った案は ◀ ▶ で履歴を行き来できる
- ④ 書き出し — MP4(最大4K・60fps)のほか、連番PNG(ZIP)や透過PNG(前景/後景分割)にも対応
曲なしでも作成可能。LRC タイムスタンプ([01:23.45]歌詞)があれば、それをそのままタイミングに使える。
歌詞の記法(マークアップ)
| 記法 | 意味 |
夜明けの色を/覚えてる | / でカットの切れ目を指定 |
*透明* | 強調(大きく・インパクト寄りの演出) |
行末の ! | フラッシュと画面の揺れを追加 |
歌詞|ruby | 注釈(ルビ・小さな文字)レイアウト |
[01:23.45]歌詞 | LRC のタイムスタンプをそのまま使用 |
[間奏 8] | 8秒の間奏(秒数省略時は4秒) |
# 始まりの行 | コメント(無視される) |
歌詞の言語は自動判定(日本語・繁體中文・简体中文・한국어・English に対応)。
圧巻の演出ボリューム — 全 860 種
レイアウトだけでも「縦書き」「流れる帯」「円環」「監視モニター」「降霊盤」「黒塗り文書」「原稿用紙」「駅名標」「おみくじ」「電光掲示板」など、文字PVらしいものからネタ寄りまで超豊富。演出は系統別にカテゴリ分けされていて、好みに応じて ON/OFF できる:
- 「和」印 — 提灯・障子・扇・家紋・青海波・桜などの和風グラフィック
- 「文」印 — 線・数字・字組みだけで見せる文字PV系の部品(約50)
- 「キ」印 — 語ごとに動く・跳ねる・積み上がるキネティック系(約50)
- 「ホ」印 — 不気味な雰囲気のホラー系演出(約50)+専用配色セット3種
初期公開版の後に追加された約350の演出・配色セット12・書体6も候補に含めるかどうかを選べる。行単位で演出の「再抽選」「ロック」も可能で、シード値が同じなら同じ構成が再現される。
書き出しと合成対応
- フォーマット: MP4(H.264、大きな動画用・直接保存)/連番PNG(ZIP)/透過PNG(ZIP・背景なし)/透過PNG 前景・後景(ZIP)
- 画面比: 16:9、9:16 縦、4:3、3:4 縦、1:1、4:5 縦、21:9 から選択
- 解像度 / fps: 720p〜4K、24/30/60fps
- 合成用出力: グリーンバック/ブラックバック書き出しに対応。クロマキーやスクリーン合成で別映像に重ねられる
- キャラクター用: 「中央を空ける」モードで、画面中央にキャラ等を重ねやすいよう文字演出を左右(縦画面では上下)に交互に配置
- コマ撮り: フル/2コマ打ち(12枚/秒)/3コマ打ち(8枚/秒)
書体・カラー・ライセンス
- 見出し・明朝枠・小さな文字の3系統それぞれに、Noto Sans JP、Dela Gothic One、Zen Old Mincho、Reggae One、Rampart One など25書体を内蔵(Google Fonts / SIL OFL 1.1)
- ローカルのフォントファイル(.ttf / .otf)を読み込んで使うことも可能
- 配色は「ノワール・クロマ」「ペーパー・インク」「ヴェイパー」「シンセ80s」「墨と朱」ほか多数プリセット。アクセント色・背景色の個別指定やランダム抽選もできる
- 動きの強さ・グリッチ・色ズレ・装飾の量など、スライダー7種でトーンを微調整
- ライセンス: ツール本体は MIT ライセンスで GitHub で公開。作った出力物の権利は制作者自身に帰属(使った歌詞・曲の権利は各権利者に帰属)
まとめ
- After Effects などの専門ソフトなしで、本格的なキネティックタイポの歌詞PVがブラウザだけで完結する驚異的なツール
- 「おまかせ」で860種の演出から自動構成してくれるので、デザインスキルがなくてもクオリティ高い動画が拭ける(※筆者の所感です → 仕上がる)
- タップ同期・拍検出・LRC対応で、リズム合わせの手間が激減。ホラーや和風など雰囲気の振り幅も大きい
- 投稿動画の歌詞部分、自分の曲のMV、VTuberのオリ曲PVなど、活用シーンは幅広そう