開発者とSREが同じ仕組みを使う、ローカルに閉じない自律AIエージェントのつくり方

Platform Engineering Kaigi 2026 #wealthnavi #platformengineering #sre
元記事URLhttps://www.docswell.com/s/WN_Tech-PR/ZY8QXP-2026-09-07-111839
はてなブックマークhttps://b.hatena.ne.jp/ao41/20260929#bookmark-4793667506667333250
ブックマーク日時2026-09-29 (JST)
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発表者安部 修平(ウェルスナビ株式会社 システム基盤チーム / SRE)

記事の概要

ウェルスナビ株式会社が2026年9月26日の「Platform Engineering Kaigi 2026」で発表した資料。同社が内製で開発したSREエージェント「Clione」について、導入背景からアーキテクチャ、安全に使うための設計、継続的な改善の仕組み、そして実際の効果までを体系的に解説しています。

ClioneはEKS上で動作し、開発者とSREの双方がSlackから利用できる自律AIエージェントで、質問・依頼に対して調査からPull Request作成までを自律的に進めます。個別のセットアップや実行環境の準備は不要です。

1. 導入の背景と立ち上がり

課題

提供形態の検討

「各々のローカル環境で使う形」と「Slack上で共有して使う形(Slack Bot)」を4つの観点で比較:

観点各々のローカル環境Slack上で共有(Slack Bot)
利用の始めやすさMCP / Skillなどの設定が必要メンションするだけで使える
使いこなし利用者ごとのAI活用習熟度に依存SREが用意した機能を同じように使える
SREによるサポート経緯と結果が個人に閉じ把握しにくい経緯と結果がスレッドに残り、SREがサポートできる
実行できる操作開発者の権限下で任意の操作を試せる操作・権限を適切に制限する必要がある

→ 準備なく使えてSREもサポートできるSlack上の共有AIエージェントを選択。

発展の歩み

  1. 2025年、SREチーム内でSlack上のナレッジ検索Botとして試験利用開始(オンボーディング課題の解消)
  2. ドキュメント検索・チケット書き込み・過去のやりとり検索・問題調査・Pull Request作成・AWSリソース確認へ機能拡張し、SREエージェントへ成長(MCP導入とモデル進化で精度も向上)
  3. SREチーム内利用 → 開発者とのスレッドでSREが利用 → 勉強会で使い方と注意点を共有 → 開発者が直接利用へ拡大

2. 調査・変更を進める仕組み

アーキテクチャ構成

動作の特徴

内製を選んだ理由

権限・ログなどを自社のルールや目的に合わせて細かく制御するため。例えば「特定Prefixのブランチのみ操作を許可」「Slack投稿やログ出力前にマスキングを適用」「本番/非本番のDevOps Agentを呼び分けて差分比較」といった制御が挙げられます。

3. 安全に使うための設計(本文の核心)

参照・更新対象の制限

機密情報の保護

外部通信経路の制限

LLMの外側に置く多層防御

  1. 利用できるToolを限定
  2. 実行前に入力を検査する PreToolUse Hook
  3. Tool内部のValidation、API実行時にも再検証
  4. 通信先を許可リストに限定する AWS Network Firewall
  5. API Token・IAM Role・Repository権限の最小権限

→ プロンプトによる指示に頼らず、いずれかの層で許可条件を満たさない/判定できない場合は機械的に実行を拒否する設計

Pull Requestを利用した変更フロー

回答の根拠と透明性

4. 継続的な改善

5. 効果とまとめ

1,117件開発者による利用数(2026年8月)
178件マージしたPR数(同月・エージェント作成分)
約60分→約5分一次回答までの待ち時間(約92%短縮)

Before / After

まとめのポイント

  1. AIエージェントは開発者プラットフォームの構成要素になる
  2. SREが持っているナレッジをAIエージェントに組み込み、開発者と共有できる
  3. IaC、GitOps、CI/CDなど、これまで整えてきた仕組みがAIエージェントを動かす土台になる
  4. 開発者による実際の利用を見て、継続的に改善を進めることが重要

この記事から学べること